
先日、プチ大掃除をしていたら出てきた赤いキャップの大きなガラス瓶。
ほぅ…これはこれは。いつぞやの自分がのぼせて買った代物だな。ということで、早速格安スーパーで紀州の梅を購入し、今日は梅仕事の1日でした。
爪楊枝で梅のヘタを取るのがこう、なんとも気持ちいいんだよねぇ。当たり前といえば当たり前だけど、梅の実って梅酒になる前から、梅干しになる前から、きちんと「梅」の香りがする。
さわやかな梅の香りに包まれ作業をしつつ「あとでチョーヤのウメッシュ買いに行こう…」と頭の中はそればかり。本末転倒というかなんというか…。
ヘタを取った青梅を入れる、赤いキャップの大きなガラス瓶。これで作られたはずの、過去の梅酒の記憶は…ない。美味しくなくてそのまま捨ててしまったか…うーん。
そもそも、梅酒も梅シロップも失敗する要素がないはずなのに、私には美味しくできた記憶がない。それもこれも、自分の大雑把さとめんどうくささが原因だと思う。料理って「水気をきちんと切る」とか「下味をつけて置いておく」とか、そんな些細なことがきっと大切。私はそれができないんだなぁ。
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明日は数年ぶりに親友に会い、親友宅でご飯をいただく。彼女は、本当の料理上手だ。本当の美味しいもの好きで、きちんとお米を研いで、出汁をひく人。
「特技は米研ぎ」と言っていた彼女の料理を食べたのは、忘れもしない小学生の頃。うちの台所で作ってくれた、明太クリームのスパゲティ。
なぜそんな流れになったのかはてんで覚えていないけれど、昭和のタイル張りの台所に、白く大きなテーブル。昼間にうすぼんやりと窓から差し込んでいた光の具合。何より、その明太クリームスパゲティが美味しかったことだけは、しっかりと思い出される。
それからもう、ずいぶんと大人になって。
彼女の家で、彼女のお父さんと一緒にいただいた、サントリー角ウイスキーの美味しさもちゃんと記憶に刻まれている。彼女がハイボールに入れてくれたレモンは、カットしてから冷凍されていて。「国産レモンだから、皮付きのまま冷凍できるんだ」って。そんなところもさすがだなぁと感動したっけ。
明太クリームスパゲティを食べた小学生のころは、親に怒られながら、毎晩のように黒電話で電話をしていた。やがてそれがメールになって、LINEになって…。
毎日やり取りすることなどなくなっても「友だち」はきちんとどこかで繋がっていられるのだと、この歳になってそのありがたさをつくづくと感じる。
あぁ、明日が楽しみだなぁ。きっと、会ったら泣くのだろうなぁ。
涙腺がすっかりゆるゆるになったのも、この歳になってつくづく感じるわけよ。わかるでしょう?ねぇ、うしさん。
