甘美。
食べて生きながらえる獣のそれと違い、人が食する行動というのは、なんとも情欲的なものだなぁと、日々感じている。
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同じ時間を過ごし、同じものを食べるその間、繋がる体は同じものでできているというのは、好きな小説のエピソードのひとつ。
この日伺った「日本酒ビストロ オダギリ」さんのコースの一品。
ふぁさりとトリュフがかけられた、トロトロのかぼちゃのパートナーに選ばれたのは「エロティック」という名の、だいすきな土地…長野のお酒で。
それぞれが絡み合う官能的な美味しさは、これから先もきっと思い返すことだろう。
最後の一皿が終わる頃には、まるでひとつの素晴らしいステージを見終えた後のような満足感。
それはきっと、コンダクターやプレイヤーの技量はもちろん、その場に揃ったオーディエンスの空気感あってこそなわけで…。
素敵なご縁に感謝いたします。
美味しかった。ごちそうさまでした。