郷家とタクシーの唄声│沖縄・宮古島

沖縄宮古島郷家

料理、酒、沖縄民謡、手拍子に指笛…!

五感で宮古島を堪能できる店「泡盛と沖縄料理 郷家(ごーや)」。

足を踏み入れた店内は、三線Livewを待ちつつ酒盛りする人たちで大賑わい。久方ぶりに感じる熱気に、普段は頼まないゴーヤモヒートなんてオーダーしてみたり…(にっがーい!うまい!)

沖縄宮古島郷家
ネギもりもり生カツオもたまらんおいしかった…

皮パリパリ、実がふっくらのアカマチの塩焼き。塩味のきいたスクガラス豆腐に、多良川の泡盛『琉球王朝』もすすむすすむ。

沖縄宮古島郷家
塩加減ばっちりアカマチ塩焼き。もちろん目玉はマスト。
沖縄宮古島郷家
島豆腐にちょろろんと乗っているのはスク(アイゴの稚魚)の塩漬け。
沖縄宮古島郷家
見学したからというわけではないが、多良川の特選がいちばんのお気に入り。
沖縄宮古島郷家

美味しいお酒と料理にごきげんになった頃、満を持して民謡奏者おふたりの登場!わぁっと店内が一段と熱を持つ。

生で沖縄民謡を聴くのは初めての体験。川満七重さんの高く澄んだ歌声と三線の音、下地トモ子さんの太鼓のリズムに心が躍る。

リズムに誘われ、ステージ前にてててっと歩き出す小さな子ども。見れば、スタッフさんがリズムに合わせてカチャーシーを踊ってくれてる…楽しい!

南の島の唄やリズムって、どうしてこうも心を躍らせるんだろう。

「明日は沖縄が本土に返ってきた日。でも、こっち、あっちって線は、実際には目に見えないですよね。人が作ったもので、本当はみんなつながっているから。良いことをすれば空気に乗ってそれが伝わっていく。その反対も…。そう思っていきたいですよね」

歌声と同じ、やさしい声で話す七重さん。そうね、音楽にもあっちこっちって、区切りはないよね。コロナ前には、お客さんみんなが輪になって踊っていたそう。沖縄の音楽が、知らずに人をひとつにしてしまうエネルギーを持っているのがよくわかる…。

演奏された『与論小唄』の歌詞を胸に、行きと同じ帰りのタクシーに乗り込むと、ここでの出会いがまた素晴らしかった。

なんでも、年配男性ドライバーさんも三線を演奏するらしく「あぁ、ナナちゃんね」と七重さんのこともよくご存じとのこと。

寡黙そうな方だったのに、ホテルまでの道中2曲も唄を披露してくださった。

1曲は『童神』。もう1曲は、本土復帰前の少年時代、デモで歌ったという『沖縄を返せ』。

「ずっと、沖縄は時代に振り回されてきました。私の祖母も戦争で亡くなりました。戦争のことはまぁ、あれだけども…。50周年だからね。今ならと思って、観光客の人にも知ってほしいってね。こうして、話したりするの」

海の青さや島の素晴らしさにひたすら感激していたけれど、自分の見識のなさに少し恥ずかしくなった。

酔っ払いでタクシー降りて、手を降り見送って…。ドライバーさんの唄声と三線の音、太鼓の音が、ずっと頭のなかでこだましていた夜。

「泡盛と沖縄料理 郷家」(Awamori and Okinawan food GOYA)
URL:https://zumi-goya.com/ TEL:0980-74-2358
「んみゃーち(いらっしゃいませ)!」とスタッフさんが笑顔で迎えてくれる、宮古島料理と酒、音楽のワンダーランド。確実に楽しみたいなら予約がオススメ。オーダーは自分のスマホから可能なモバイル形式。2階にはゆったりと食事を楽しめる"はなれ"も完備。