大阪から山陰へ帰るバスのなか。お気に入りのお店がなくなるという話を知り、泣いている。
そこは、ほんとうに美味しいお料理をちょっとずつ、ほんとうに美味しいお酒と楽しませてくれる夢のような場所だった。
テーブルに置かれたピンチョスを口に入れて、うわ、美味しいって感激して視線を上げたその先で、怒涛のオーダーをこなすシェフと一瞬目が合い笑顔で頷き合った瞬間はきっと一生忘れない。
いつかとか、そのうちとか、わたしはそういった感覚がとても苦手で。周りから見たらきっと、もっと地に足をつけて生きなさいと呆れられるほど刹那的に動いてしまう。
でも、明日おんなじように元気で、おんなじようにすきに使えるお金があって、当たり前に家族も健やかでいてくれる保証なんて、これっぽっちもないのだ。少なくとも自分には、そう思う。
あいたい人にはあえるうちに。行きたい場所には、行けるうちに。
京丹後に飛ばなくては。