嘉之助蒸溜所見学│嘉之助さんに、行ってきた

嘉之助蒸溜所

先日受験したウイスキーエキスパート試験。きっとジャパニーズウイスキーの問題出てくるだろうなぁと思ってたの。思ってたのに…答えられなかったの、嘉之助さんの問題。

かっこわるい、オレ。

ということで、今、行かなきゃ。と行ってきました。大阪から鹿児島県、嘉之助蒸留所へ日帰りで。嘉之助さんの最寄り駅は伊集院駅です。

伊集院駅
駅内の観光モニターにも嘉之助さんの情報が

伊集院駅、ちょっと倉吉駅っぽかったなぁ。2つ?手前、木造建築の上伊集院駅もなんともいい雰囲気だった。ランドセル背負った子どもたちがうわーっと降りていくの。

列車で行く場合は、伊集院駅からさらに車で15分。駅前にタクシーが待ってくれているものの、蒸留所見学との時間はわりとギリギリになるのでご注意を。

ちなみに、この日に乗車したタクシーの運転手さん、キーホルダーは西郷どんの連れてたワンコ。ハンドルカバーはキティちゃん。かわいい…と思わず声をかけたら、娘さんからのプレゼントだそう。帰りの時間めがけてお迎えもお願いできました。一見シャイな方とも、こういうことでちょっと話が弾むのが旅の醍醐味だねぇ。

嘉之助蒸溜所

緊急事態宣言も解除され、蒸留所見学は込み合っているのではと思っていたのですが、なんと当日お昼の参加者は私を含め2名のみ。ほぼ、貸し切り状態…贅沢すぎる!

嘉之助蒸溜所

蒸溜所見学は、嘉之助蒸溜所の歴史…ひいては小正醸造の歴史から始まります。画像中央下のメガネイケメンが、2代目・小正嘉之助氏。現社長、小正芳嗣氏のおじいさま。日本で初めて全量オーク樽で熟成させた米焼酎「メローコヅル」を誕生させた人物です。

画面奥のデッサンは、メローコヅル専用蒸溜所の構想図。人々が集う場になるよう、蒸留所奥にはテニスコートが描かれています。なんとも…優しくでっかい方だったのがうかがえる。

「今日はちょっとピート臭いかも。大丈夫ですか?」と言われながら次のスペースへ。えぇ、大丈夫ですとも。臭いの大好き!

嘉之助蒸溜所

ドアを開けるとむわっとした熱気と共にピートの香り。シュッとした三宅のマッシュタン…かっこいい!脚立を使って中まで覗いて見せていただきました。感激。

嘉之助蒸溜所
嘉之助蒸溜所

嘉之助さんの発酵槽は床に埋め込まれてるのが大きな特徴。見学をしているそばで、スタッフの方が木の棒を使って発酵度合いをチェックしてらっしゃった。あぁなんと贅沢な…お邪魔してすみません…ありがとうございます。

改めてこう見ると、本当に美しいな。「美味しいものは美しい」は自分の中の定説だけれど、造る工程から美しいのかと感服してしまう。どなたが設計したんだろうと、そんなことまで気になってしまうわ。

嘉之助蒸溜所

曲の山場、フルコースのメインともいえる存在の蒸留所見学の主役、ポットスチル。嘉之助さんは三宅のポットスチルが3基。手前から6,000、3,000、1,600l容量…圧巻。

ちなみに、ウイスキー造りにもコロナ過は大きく関係したそう。原料が輸入されず、1日の生産量が必然的に少なくなってしまう…。そんなときは要領の少ないポットスチルが活躍したそうです。

「作れば売れる」のイメージが先行しがちな近年のジャパニーズウイスキーも、その工程は決して安易なものではない。現場の創意工夫がなされている…。やっぱりこれは、体感して実感できるものだなぁ。

嘉之助蒸溜所

嘉之助さんへの蒸留所見学を考えている方で、もっとも楽しみにしているのはこちらのメローバーではないでしょうか…。

約11mの1枚板のカウンター。目の前には雄大な東シナ海。そしてそして…。

嘉之助蒸溜所

この日、レコードから流れていたのはボブディラン。

明るい背景を背に、目の前でテイスティングをするスタッフさんが本当…に、かっこよかった。近くで釣れる小鯵の南蛮漬けを肴に、嘉之助のハイボール、飲みたいです。

嘉之助蒸溜所

蒸溜所の裏はすぐ、海。営業時間中はいつでも自由に出入りできるそうです。そういえば…「いつでも気軽にふらっと来てください」というスタッフさんの言葉が印象的だったな。人々が集う場所…2代目嘉之助氏が理想とした環境がここにあるのかもしれない。

嘉之助蒸溜所
嘉之助蒸溜所
嘉之助蒸溜所

風はあるけど、光も波も、どこまでも穏やか。この場所でウイスキーが眠り、たくさんの人の口に届く。いいなぁ…。

あ、しまった。キティちゃんハンドルカバードライバーさんが来てくださってるんだった。戻らねば。

また、きます。嘉之助蒸溜所。

嘉之助蒸溜所(鹿児島県日置市日吉町神之川845-3)
KANOSUKE DISTILLERY
2017年11月オープン。やさしく、やわらかく、心地よく…。
メロウな幸せを届けてくれる蒸留所。